合格のポイント 判定基準を知る
口頭試験の条件とは?
(2) 口頭試験
令和6年度技術士第二次試験実施大綱
① 口頭試験は、筆記試験の合格者に対してのみ行う。
② 口頭試験は、技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における記述式問題の答案及び業務経歴を踏まえ実施するものとし、筆記試験の繰り返しにならないよう留意する。
③ 試問事項及び試問時間は、次のとおりとする。なお、試問時間を10分程度延長することを可能とするなど受験者の能力を十分確認できるよう留意する。
筆記試験の合格率は、部門科目によりばらつきますが、
口頭試験は、筆記試験合格者のみに対して行います。
おおよそ10~30%程度です。
筆記試験を突破した時、
口頭試験では、これも部門科目によりますが
60~90%の合格率です。
結果、「技術士」と認められるのは、
8~20%程度になります。
注意点は、口頭試験を不合格になると、
来年は、筆記試験からスタートだということです。
かなりダメージを受けます。
しっかり対策をして、
確実に合格するまで準備しましょう。
また、
筆記試験のことは聞かれることが前提です。
しかし、
「繰り返しにならないよう」
という条件があります。
合格基準である以上、
「文句」
を言うわけではなりません。
今ならその回答したことをどう考えるか?
筆記試験で回答しなかったことについてどう考えるか?
を聞かれるのです。
筆記試験の評価基準を見直して、
しっかり対策しましょう。
もう一つ大事なのが、
「技術士としての適格性を判定することに主眼におき」
です。
では、適格性とは何か?
口頭試験での適格性とは?
上記は、技術士会が平成31年に公表した「技術士試験の概要について」からの抜粋です。
技術士の適格性とは、すべての試問事項について、
技術士相応の考え方があるか?
です。
令和元年の口頭試験では、コンピテンシーを意識した質問がおおくなりました。
それまでは、業務経歴詳細の技術的な工夫点や内容をしっかり聞かれることが多かったのですが、
試験官の評価基準が明確になった事と
慣れていなかったことから、
コンピテンシーの言葉を用いた試問が多くなったのでしょう。
いままで、
コンピテンシーは明確になっていなかった時代は、
資質能力の定義はあいまいでした。
そのため、
専門的応用能力
技術士法
の定義から
試問が中心でした。
しかし、
問われていることの本質は変化していないと考えています。
技術士法第1条と2条が変更がない限りは。
だから、問い方が明確になったと思ってください。
その分、対策はしやすくなったと思います。
技術士法第1条と第2条は最重要!
(目的)
技術士法より
第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。
技術士の存在意義が書いています。
技術士は、科学技術の向上と国民経済の発展に資することが目的にあるでのです。
当然、口頭試験でも意識すべき内容です。
では、資するにはどうするのか?
それが「業務の適正を図り」です。
専門分野
選択科目
技術部門
をもって業務の適正を図れるか?を問うています。
(定義)第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。
技術士法より
業務の適正を図るために必要な条件が、技術士法第2条にあります。
太字の部分です。
業務経歴票は、計画、研究、設計、分析、試験、評価を意識した内容になっていますか?
高等の専門的応用能力とは、
専門とする事項
選択科目
技術部門
の専門的応用能力、つまり
「新たな問題に対して、最適な解決策を提示し遂行できる能力」
です。
それには、コンピテンシーが重要なのです。
専門的学識
問題解決
マネジメント
評価
コミュニケーション
リーダーシップ
技術者倫理
継続研さん
をもって、
高等の専門的応用能力があることを
示してください。
CPDは要注意!
昨年、技術士更新制度の議論がありました。
「技術士CPD活動実績の管理及び活用制度の開始」が始まっています。
CPDは要チェック!
技術士CPD(継続研鑚) Q&Aが技術士会のHPには載っています。
必ず、チェックしておきましょう。
まとめ
技術士口頭試験は、不合格になると翌年はまた筆記試験からです。ポイントを踏まえて対策しましょう。
高等の専門的応用能力を示すには、
コンピテンシーを満たすことが重要なのです。
2つのことをしっかり理解し、対策を取ってください。
昨年の受験生の試問事項は、業務経歴詳細の深い部分まで聞かれる事例が増えました。
しっかりと自分の業務を見直すことが合格のポイントになると考えてください。
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